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ミュウミュウスタッズリボン編集

 黒い卵の位相ベクトルを強制的に移行した。その結果、生じつつあった量子ホールが閉じられ、久遠からの干渉波が完全に閉ざされた。  これでいい。 「卵にはいたずらしないで、久遠」  久遠は覚醒しているが、まだそのときではない。卵を孵すときを決定するのは、久遠ではない。おじさまよ。すべてはおじさまの計画にのっとって進まねばならないの。 [#改ページ]    4  それまで狂ったように笑っていた久遠が、とつぜん悲鳴をあげたかと思うと、おれの腕の中に落ちこんできた。久遠の体を抱きしめるように、操縦席に倒れこむ。 「久遠!」  だめだ。気絶している。 「久遠!」  呼びかけにはまったく反応しない。  どうすりゃいいんだ、とあたりを見まわすおれの顔に影が落ちた。スクリーンがまるでカーテンに閉じられていくように両側から暗くなっていく。これって、つまり、ドーレムに呑みこまれようとしてるのか?  怒りがこみあげてきた。  こいつのせいだ!  ドーレムが現れたから、久遠がおかしくなったに決まってる。  おれは怒りをこめて、腕をふりあげた。  そして、ドーレムを内側から粉砕した。
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